波の音、風の音

生活保護中の私の記録

行く先

7月24日、金曜日。

外出しないように言われてるけど、日課の散歩に出た。外はいつもと変わらず、たくさんの人が歩いていた。ジョギングの人も多い。


私の散歩のコースはだいたい決まっている。

休憩ポイントがあって、そこへ行くまで何通りかのルートがあるだけ。


毎回ほぼ同じ道のりなので、さすがに飽きてくる。同時に、急に焦燥感に駆られるときがある。


みんな目的地があるように見える。

みんな行き先が決まってて、フラフラしてるのは私だけみたいに感じたりしてしまう。


帰り道、信号待ちで、花壇のレンガに座りながら、1人で大声で話している女の人を見た。支離滅裂な事を言ってるわけではなかった。自分の生まれ、ルーツなどを大きな声で宣言してるだけだ。

誰も振り向かないし、関わらないようにしている。

あの人はあの後どこへ行くんだろう。

何に向かって、あんなに声を張り上げていたんだろう。1人で喋っていることに、何も感じてはいないんだろうか。


多くの人と同じように、信号が変わったと同時に私も歩き出した。女の人はまだ1人で話していた。