夜の街を行く
9月8日、火曜日。
夜の散歩の方が好きかもしれない。
町あかりが嫌いじゃないし、夜は人も少ない。
都会の中の小さな草むらでも、虫の音が聞こえてくる。
宛はない。
ただ歩くだけ。一定距離歩いて、折り返し地点を決める。慣れている道だから怖いことも無い。
星が全然見えない。街が明るいからだ。
うちの実家の方では結構星が綺麗に見えた。
ここでは月も探さないといけない。
長いこと、星あかりを消してしまう街灯りが好きにれなかった。
派手な色、点滅、邪魔だと思っていた。
今は少し違う。企業のともかく、灯りの一つひとつは好きなった。マンションにしてもオフィスビルにしても、誰かがいて、動いてる。それを温かみとして感じるようになったからだ。
人恋しくなったのかもしれない。
ただのセンチメンタルかもしれない。
人の温もりがわかるようになったのかもしれない。
どれでもいい。どれも正しいんだろう。