生きるのか死ぬのか続
どうしてもどうしても、一番大切な人に言いだせなかった。
ほんとうにギリギリになって、もう借金しかないこと、部屋を出るしかなくなること、死を考えていること、全部話した。
安心して話せる人は彼だけだった。もっと怒られるかと思っていたのに、励ましてくれて、悲しませないでほしい、と懇願された。
言わないで逝く、という選択肢もあった。
だけど、言わないまま実行したら、彼にとってどれほどの打撃になるか・・・と考えるとやっぱり先に言うしかなかった。
どうしてか、彼の声を聞くと嬉しくなる。幸せな気持ちになって、頑張ろうかなと思えてくる。
電話を切ると、また死に方を模索する。
でも、話してしまったことで何か吹っ切れて、明日、役所になんとか連絡してみようと思った。
人に合うのが怖くて、話すのだって大変で、どこまでわかってもらえるかわからない。不安しかない。ちゃんと聞いてもらえるのか、信じていいのか。
この日がちょうど10日前。
3月の初めの木曜日だった。
何から話せばいいのか、何から手を着けたらいいのか、全然わからない。
感情がいっぱいいっぱいになると過呼吸になってしまうので、落ち着かなきゃと思うんだけど、不安と恐怖で頭が割れそうに痛い。