波の音、風の音

生活保護中の私の記録

自然が恋しい

8月30日、日曜日。


川っ辺りの町で育った。

高校生の頃はよく授業を抜け出して、川辺の草むらに寝転んで空を見ていた。

ただ寝転ぶ日もあれば、少し奥にある渡し場に行って向こう岸を散策したりした。


そこには大地の温かさがあって、風があって、抜けるように青い空があった。

天気がいい日は西に富士山が遠く見え、東には県南民の心の山が見えた。

寝転がって川の流れを見て、同じ刻はないんだなと思った。

空を見てたまらなくちっぽけな自分を感じたり、大地に包まれている、世界に含まれている自分を感じたりした。


今、ものすごく川に行きたい。山の中の静寂に身を置きたい。

多分私は自然に飢えている。都会の中に作られたおもちゃみたいな噴水や口を閉ざす樹木では物足りない。

私に必要なのは、薬じゃないんだと思う。

自然と、時。

分裂していったり収縮していく自分を解き放ったり統合するために。


今は近くに汚ったないお堀しかない。

高速の走行音、ビルの解体の音。

その中でも歩いて歩いて、ひっそりと休める空間は見つけてきた。

もうそれじゃ足りないみたい。